Geeksウェビナーの詳細はこちら

詳細



1 件
プロ野球

ヤクルトかオリックスか?日本シリーズ出場チームをデータで徹底分析!



目次
【投手】「山本由伸」率いる盤石なオリックス投手陣
【打者】三冠王「村上宗隆」擁する強力打線
日本一を手にするのは

いよいよ今日、日本シリーズが開幕する。対戦カードは昨年と同じく、ヤクルト対オリックスとなった。今回は、今シーズンの両チームの主力選手のデータから、日本シリーズでの注目ポイントを探っていく。
参考:【プロ野球】日本シリーズOPSランキング!過去10年をデータで振り返る

【投手】「山本由伸」率いる盤石なオリックス投手陣

まず、今シーズンの「防御率」「投球回」「K/BB」「FIP」の4つの指標から、両チームの主力投手陣の成績を比較していく(表1・2)。

「K/BB」とは「Strikeout to Walk ratio」のことで、奪三振数を与四球数で割った比率のことだ。奪三振数が多く四球が少ないと値が大きくなる。この値が高い投手は、奪三振能力が高く制球に優れている優秀な投手だといえる。一般的には、3.50を超えると優秀な投手とされる。

FIP(Fielding Independent Pitching)とは、被本塁打・与四死球・奪三振のみで投手を評価する指標である。防御率と同様に値が低いほど投手の能力が高いことを示す。「野手のプレーが関与するイベント」が評価の対象から除かれているため、チームの守備力や運に左右されず、投手の純粋な能力を表すことができるとされる。
参考:防御率に代わる投手の評価指標FIPとは!

〈ヤクルト〉木澤・清水を中心とした強力な中継ぎ陣

ヤクルトの投手陣は、唯一規定投球回に到達した小川泰弘がエースとしてチームを牽引した。CSでも初戦を任され、6.2回を1失点に抑える好投でチームを勢いづかせた。また、注目したいのが、シーズン終盤で頭角を現した大卒一年目の山下輝だ。CSでは登板がなかったが、日本シリーズでは登板が予想されている。大舞台でどんな投球をみせてくれるのか楽しみだ。
参考:【CS2022】ヤクルトのCS注目ポイントを紹介!

表1 ヤクルトの日本シリーズでの登板が予想される主な投手の成績

ヤクルトのリリーフ陣では、木澤尚文が70イニングを投げなんと9勝を挙げた。他にも、FIP1.92の田口麗斗、K/BB4.54を誇る守護神マクガフなどリリーフ陣は比較的充実しているといえる。高い投手力を誇るオリックスに対抗するためにはシーズン同様、投手総力戦で戦いたい。

〈オリックス〉四冠王・山本率いる磐石な先発陣

オリックスの投手陣は、山本由伸がどの指標をみても圧倒的な成績を残している。長いイニングを投げる先発投手ながら、K/BB4.88FIP1.74というのは驚異的な数字だ。CSでも初戦に登板し、8回無失点とさすがの投球をみせた。また、宮城大弥も規定投球回に到達し、2年連続の2桁勝利を果たした。K/BBやFIPの値をみてみると、先発の層の厚さはオリックスの方が一枚上手といえるだろう。
参考:【CS2022】オリックスのCS注目ポイントを紹介!

表2 オリックスの日本シリーズでの登板が予想される主な投手の成績

オリックスのリリーフ陣では、阿部翔太がK/BB・FIPともに最もよい数字を残している。また、宇田川優希にも注目だ。8月に一軍初登板を果たしてからその活躍が光る育成出身の右腕は、奪三振率12.90と非常に高い奪三振能力を持つ。盤石な先発陣に加え、多様なタイプのリリーフ陣を擁するオリックスの投手陣を打ち崩すのは容易ではないだろう。
参考:オリックスの新外国人ビドルとワゲスパックを分析!連覇に向けて厚みを増す投手陣!

【打者】三冠王「村上宗隆」擁する強力打線

ここからは、「OPS」「本塁打数」から両チームの主力野手陣の成績を比較していく(表3・4)。
参考:打者の評価指標OPSとは!

〈ヤクルト〉村上率いる12球団ダントツの得点力

ヤクルト打線は、なんといっても「打率0.318・56本塁打・134打点」という驚異的な成績で史上最年少で三冠王に輝いた村上宗隆だろう。シーズン終盤は少し調子を落としていたが、CSの打率は0.333、初戦には本塁打も放つなど本調子を取り戻している。昨シーズン村上は、山本に対して10打席でOPS0.311と抑え込まれている。今シーズンはレギュラーシーズンでの対戦がなく日本シリーズが初対戦となるが、さらなる進化を遂げた村上がリベンジを果たせるのか必見だ。

表3 ヤクルトの日本シリーズでの出場が予想される主な野手の成績

そして四番に座る村上の前後にも、山田哲人・オスナ・サンタナと長打力のある打者が並ぶ。特にオスナはCSでも本塁打を2本放っており、調子を上げてきている。シーズン中も圧倒的な得点力を見せた強力打線が、オリックス投手陣にどこまで対抗できるのか注目だ。

〈オリックス〉CS大暴れのラオウ・杉本

対するオリックス打線の中心は、1.000を超えるOPSを記録し、チーム最多の21本塁打を放った吉田正尚だろう。CSでも打率.462とチームトップの打率を記録しており、日本シリーズでの活躍も期待できそうだ。吉田は昨シーズンと今シーズン合わせてマクガフと5打席対戦し、OPS2.300と非常に得意としている。同様に小川に対しても、6打席でOPS0.833と結果を残している。

表4 オリックスの日本シリーズでの出場が予想される主な野手の成績

しかし、その他の選手をみると秀でた得点力を記録している選手は少ない。中川圭太や杉本裕太郎などCSで好成績を残した打者もいるが、打撃力はヤクルトに軍配が上がりそうだ。

日本一を手にするのは

ここまで、今シーズンの成績から日本シリーズの注目ポイントをみてきた。昨シーズンはヤクルト4勝、オリックス2勝とヤクルトの日本一で幕を閉じた。打撃力に優れたヤクルトが連覇を果たすのか、それとも投手力に優れたオリックスがリベンジを果たすのか。一年越しの決戦に注目が集まる。

スタンダードプランに登録無料すると

記事の続きや、コメントを読むことができます。

Baseball Geeks編集部