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オリックスの新外国人ビドルとワゲスパックを分析!連覇に向けて厚みを増す投手陣!



目次
ゴロを量産するジェシー・ビドル!
多彩な球種を操るジェイコブ・ワゲスパック!
連覇への力になるか!

昨シーズン、悲願のリーグ優勝を成し遂げたオリックス。今回は、オリックスへの入団が決まった2人の新外国人投手、ジェシー・ビドルジェイコブ・ワゲスパックのメジャー時代の投球をトラッキングデータから分析していく。

ビドルは、昨シーズンは8試合の登板にとどまったものの、2018年にはメジャーで60試合に登板している実績のある投手だ。ワゲスパックは、昨シーズンメジャーでの登板はなかったが、3Aで24試合(10先発)に登板し、7勝2敗、防御率2.87という成績を残している。今回はメジャーで11試合に登板があった2020年のデータを分析する。
参考:【ドラフト特集2021】パ・リーグ各球団の現状とドラフトを振り返り!

ゴロを量産するジェシー・ビドル!

まず、平均球速と投球割合をみていく(表1)。4シームや2シームといった速球系の球速はメジャー平均を少し下回っているが、プロ野球では速い部類だろう。球速比はどの球種もメジャー平均ほどで、突出したボールはなかった。投球割合をみると、4シームが半分弱を占めており投球の中心となっている。次いで、カーブ・スライダー・2シームを投球している。

表1 ビドルの各球種の平均球速と投球割合

2021年シーズンのデータを分析。カッコ内はメジャー平均

続いて、ボールの変化量をみていく(図1)。投球の中心となっている4シームは、ホップ成分がメジャー平均より小さい「垂れる」ボールだ。そのため、打者はボールの上を叩いてしまい、ゴロを打たせやすい球質といえる。カーブは、メジャー平均よりも落ちる球質となっており、打者のタイミングをずらすのに有効だろう。また、スライダーもメジャー平均よりも曲がりが大きく、昨シーズンは空振り率が4割を超えていた。

図1 ビドルの各球種のボール変化量

リスク管理表をみると、完全アウトの割合がメジャー平均よりも小さくなっている(図2)。空振り率の高いスライダーの投球割合を上げることで、完全アウトの割合を上げることが出来るかもしれない。ゴロの割合は高く、外野フライや本塁打といった長打の確率が高いイベントの割合は低い。球速はメジャーでは速い部類ではなかったが、垂れる4シームで上手くゴロを打たせて打者を打ち取っていたようだ。ただし、四死球割合がメジャー平均を大幅に上回っているのは不安要素といえる。

図2 ビドルの2021年のリスク管理表
ジェシー・ビドル

Jesse Biddle
1991年10月22日生まれ 左投左打
ブレーブス(2018-2019)ーマリナーズ(2019)ーレンジャーズ(2019)ーレッズ(2020)ーブレーブス(2021)ーオリックス(2022ー)
【メジャー通算成績】99試合 6勝2敗 1セーブ 13ホールド 防御率5.07

多彩な球種を操るジェイコブ・ワゲスパック!

続いて、ワゲスパックについてみていく。平均球速をみると、速球系の球速はメジャー平均を下回っている(表2)。投球割合をみると、ビドルと同じく、4シームが4割を超えており投球の軸だ。球種も豊富で、幅広い球速帯のボールを投球できるため、長いイニングも投げることができそうだ。また、球種や投球割合は、昨年ソフトバンクで6試合に先発し3勝を挙げたコリン・レイに似ている。レイのように活躍できるか期待が膨らむ。
参考:ソフトバンクの新外国人レイを分析!多彩な球種でゴロを打たせる投球に注目!

表2 ワゲスパックの各球種の平均球速と投球割合

2020年シーズンのデータを分析。カッコ内はメジャー平均

次に、変化量を見てみる(図3)。投球の中心である4シームはメジャー平均よりもシュート成分が非常に小さく、いわゆる「真っスラ」といわれるような変化をしている。2シームはホップ成分が大きく、メジャー平均の4シームと同じような変化量だ。球速帯も似ており、カットボールやチェンジアップとともにピッチトンネルを構成するので、打者は見極めが困難だろう。カーブは、球速が遅く大きく落ちるため、タイミングを外すのに有効だろう。

図3 ワゲスパックの各球種のボール変化量

最後にリスク管理表を見ると、ゴロの割合はメジャー平均ほどとなっている(図4)。カーブ以外のボールはピッチトンネルを構成しやすく、小さく動かし上手くゴロを打たせられているようだ。一方、完全アウトの割合はメジャー平均を大幅に下回っている。決め球に欠いて完全アウトが少ないのは課題だろう。また、長打になりやすい外野フライや四死球の割合が高いのも不安要素だ。

図4 ワゲスパックの2020年のリスク管理表
ジェイコブ・ワゲスパック

Jacob Waguespack
1993年11月5日生まれ 右投右打
ブルージェイズ(2019-2020)ーオリックス(2022-)
【メジャー通算成績】27試合(13先発)5勝5敗 1ホールド 防御率5.08

連覇への力になるか!

今回は、オリックスに入団が決まった2人の新外国人投手のメジャー時代の投球をみてきた。昨年、投手5冠を達成した山本由伸を筆頭に好投手がそろうオリックスで、2年連続のリーグ優勝、ひいては日本一への戦力になれるか注目だ。
参考:【CS2021】今シーズンのオリックスとCS注目ポイントを紹介!

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Baseball Geeks編集部