Geeksウェビナーの詳細はこちら

詳細



0 件
プロ野球

日本ハムの新外国人ガントとポンセを分析!多彩な変化球で北のスターになれるか!?



目次
多彩な変化球でゴロの山を築くガント!
多彩な変化球でゴロの山を築くポンセ!
北の大地を輝かすスターになれるか!?

3年連続で5位に終わった日本ハム。オフにはBIGBOSSこと新庄剛志新監督が就任し、チームを勢いづけるスターを求めていることを公言した。果たして新外国人投手の2名はそのスターになることができるのだろか。今回は、日本ハムへの入団が決まった2人の新外国人投手、ジョン・ガントコディ・ポンセのメジャー時代の投球をトラッキングデータから分析して、特徴と可能性を探っていく。

ガントは昨シーズン、カージナルスとツインズで計39試合に登板(21先発)して5勝11敗、防御率4.09という結果を残している。先発と中継ぎを流動的にこなしたようだ。ポンセは昨シーズン、パイレーツで15試合(2先発)で0勝6敗、防御率7.04という結果を残している。

多彩な変化球でゴロの山を築くガント!

まずガントの分析を行う。平均球速と投球割合を表1に示す。4シームの球速はメジャー平均をやや下回っているが、プロ野球では速い部類だ。投球割合をみると2シームが約4割を占めており、投球の中心であることがわかる。2シームの他にチェンジアップ・カットボール・4シームはそれぞれバランス良く投球されており、多くの変化球を操れる点が特徴といえよう。

表1 ガントの各球種の平均球速と投球割合。

2021年シーズンのデータを分析。カッコ内はメジャー平均

続いて、ボールの変化量をみていく(図1)。投球の中心である2シームは、メジャー平均よりもホップ成分とシュート成分が大きいボールとなっている。カットボールは変化量の幅が大きく、ホップ成分の大きいものや、スライダーのように落差の大きいものなど何種類かのカットボールを投げ分けていると考えれる。メジャー平均と比較すると、どの球種もボール1~2個分ほど変化量が異なるため、バットの芯を外すことが得意だと考えれる。ガントのボールは「手元で動く」と表現されることもあるだろう。

図1 ガントの各球種のボール変化量。

リスク管理表をみると、ゴロの割合がメジャー平均よりも高く、変化量に特徴のあるボールでゴロの山を築くことができている。一方、四死球の割合はメジャー平均を大幅に上回ってしまっている。いち早くプロ野球の環境に適応し、四死球の割合を減らすことが求められそうだ。

図2 ガントの2021年のリスク管理表。
ジョン・ガント

John Michael Gant
1992年8月6日生まれ(29歳)、右投右打
ブレーブス(2016)ーカージナルス(2017-2021)ーツインズ(2021)ー日本ハム(2022)
【メジャー通算成績】173試合(49先発) 24勝26敗 防御率3.89

多彩な変化球でゴロの山を築くポンセ!

ポンセもガントと同様に多くの球種を操る投手だ(表2)。メジャー平均の球速をほこる4シームを中心に、カットボール・カーブ・スライダーをバランスよく投球している。多くの球種を使うという点でポンセもガントも先発向きの投手といえるだろう。
参考:「先発タイプ」ってどんな投手?持ち球からその適性を考える

表2 ポンセの各球種の平均球速と投球割合

2021年シーズンのデータを分析。カッコ内はメジャー平均

続いて、ボールの変化量をみていく(図3)。先ほどのガントとは対象的に、どの球種もメジャー平均に近い変化量をしている。スライダーは縦方向の変化量が多いいわゆる「縦スラ」タイプで、チェンジアップは落差が小さいいわゆる「来ない」タイプとなっている。どちらもゴロを奪うのに有効的な球質といえる。

図3 ポンセの各球種のボール変化量。

最後に、リスク管理表をみてみる(図4)。ゴロ割合はメジャー平均よりも高く、ゴロピッチャーといえる。一方、完全アウトが少なく、外野フライと本塁打が多いため、長打を浴びる可能性が高いという不安要素も抱えている。ただし、プロ野球はメジャーに比べて本塁打が少なく、外野が広い札幌ドームでの登板が多いことが予想されるため、この心配が現実になることはないかもしれない。
参考:【今さら聞けない!】MLBのプレースタイルの特徴とは?NPBとの違いを比較!

図4 ポンセの2021年のリスク管理表。
コディ・ポンセ

Cody Joe Ponce
1994年4月25日生まれ 右投右打
パイレーツ(2020-2021)ー日本ハム(2022)
【メジャー通算成績】20試合(5先発)1勝7敗 防御率5.86

北の大地を輝かすスターになれるか!?

今回は、日本ハムに入団が決まった2人の新外国人投手のメジャー時代の投球をみてきた。ガントもポンセも多彩な変化球を武器に、ゴロの山を築く投手だ。球種が多い分、打者との駆け引きや読み合いが多くなると予想される。一球一球に丹精を込めて投げぬいたその先に、優勝という栄冠が待っているのか注目だ。

スタンダードプランに登録無料すると

記事の続きや、コメントを読むことができます。

Baseball Geek編集部