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プロ野球

ピタゴラス勝率から振り返るプロ野球~9月・10月編~



目次
9月・10月の平均得点・平均失点を分析
2年連続のマジック未点灯での優勝を決めたオリックス
ポストシーズンを制するのは

CS(クライマックスシリーズ)が始まり、日本一をかけた戦いに向けて熱が高まっている。今回は「平均得失点」と「ピタゴラス勝率」という指標を用いて、9月・10月の各球団の戦いを振り返る(データは10月3日時点)。ピタゴラス勝率について、詳しくは下記の記事を見てほしい。
参考:データで順位を大胆予想!ピタゴラス勝率でみる今季プロ野球の展望は!

9月・10月の平均得点・平均失点を分析

三つ巴の戦いをみせたセ・リーグ

まず、セ・リーグの平均得失点をみていく(表1)。
平均得点が最も高いのは広島だ。毎試合5得点に迫る勢いをみせている。特に、9月の打率.420・OPS1.065でリーグトップの成績をおさめている西川龍馬が大活躍だ。CS進出こそ逃してしまったが、来年の戦いに期待したい。

平均失点が最も少ないのは読売だ。9月の防御率1.95を記録した戸郷翔征、2年ぶりとなる10勝をマークした菅野智之など好調をみせた投手陣の活躍があり、順位を5位から4位に上昇させた。Aクラスこそ届かなかったが、大勢が新人最多セーブに並ぶ37セーブを記録し、新人王有力候補である。来シーズンも楽しみが尽きない。
参考:ピタゴラス勝率から振り返るプロ野球~3・4月編~

表1 9月1日から10月3日までの平均得失点(セ・リーグ)

平均得点が最も低かったのは中日だ。6月23日以降順位を上げることはできず、6年ぶりの最下位とチームは低迷した。打撃が課題となるシーズンだったが、岡林勇希が初となる最多安打のタイトルを獲得するなど、若手の活躍が垣間見えたシーズンでもあった。また、惜しくも獲得とはならなかったが、大島洋平も村上宗隆と最後まで白熱した首位打者争いを演じてみせた

平均失点が最も高いのはヤクルトだ。9月25日にリーグ連覇を決めたヤクルトだが、今月は投手陣に課題が残る結果となった。ポストシーズンを勝ち抜き、2年連続日本一を達成するためには投手陣の調子を上げられるかが鍵となるだろう

歴史に残る大混戦をみせたパ・リーグ

次に、パ・リーグの平均得失点をみてみよう(表2)。
平均得点が最も高かったのはロッテだ。チーム打率は.231とリーグ5位だが、132盗塁・盗塁成功率8割近くと断トツな記録を誇っている。44個の盗塁を決め、2位と22個差という圧倒的な数字を残してタイトルを獲得した髙部瑛斗の活躍もあり、機動力野球を生かした戦いが確立できたのかもしれない。

ソフトバンクは平均失点が最も少ない。リーグ唯一の3失点以下を記録し、平均得失点差も1点を上回っている。投打の歯車が噛み合ったといえるだろう。最終戦でオリックスに逆転優勝を許してしまったが、手術から復帰し、9月29日の楽天戦で勝利投手となった大関友久、5年ぶりに10勝をマークした東浜巨の活躍もみられた。9日にCSファーストステージを突破し、明日12日からCSファイナルステージが始まる。CSを見事突破し日本シリーズに進出できるのか、ポストシーズンでの反撃に期待したい。
参考:【CS2022】ソフトバンクのCS注目ポイントを紹介!

表2 9月1日から10月3日までの平均得失点(パ・リーグ)

平均得点が最も低かったのは西武だ。3年ぶりのCS進出を決めた西武だが、9月・10月は得点力不足に悩まされた。また、チーム打率もシーズン通して.229と最下位を記録している。3位からの下克上を狙いたい西武だったが、ソフトバンクに2連敗を喫し今シーズンを終えた。来シーズンから指揮を執る松井稼頭央新監督の手腕に注目が集まる
参考:【CS2022】西武のCS注目ポイントを紹介!

平均失点がリーグワーストであったのは楽天とロッテだ。特に楽天は、7月から平均失点がリーグワーストを記録し続けている。9月・10月で5失点以上した試合が10試合もあり、リーグ優勝・CS争いから敗れる形となった。投手力改善が来シーズンの大きな課題となりそうだ。

2年連続のマジック未点灯での優勝を決めたオリックス

続いて、各球団の9月・10月のピタゴラス勝率と実際の勝率をみてみよう(図1)。
オリックス・西武は実際の勝率がピタゴラス勝率を1割近く上回っている。特に、リーグ連覇を決めたオリックスは得失点差が2点以内で勝利した試合は7試合と、接戦をモノにしていることがわかる。ポストシーズンでも得意の勝負強さを披露し、悲願の日本一に期待したい。

一方、ロッテは実際の勝率がピタゴラス勝率を1割近く下回っている。統計的にはもっと勝てていてもおかしくないということだ。得失点差をどう勝利に結びつけるかが来シーズンのポイントとなりそうだ。

図1 9月1日から10月3日までの各球団のピタゴラス勝率と実際の勝率

最後に、各球団の開幕から今までのピタゴラス勝率と実際の勝率をみてみる(図2)。
阪神は実際の勝率がピタゴラス勝率を1割近く下回っている。しかし、同リーグのヤクルト・DeNAよりもピタゴラス勝率は上回っている状態だ。昨日、CSファーストステージを突破した勢いのままに、投打が絡んだ試合を展開できるかが日本シリーズ進出のためのポイントとなるだろう。
参考:【CS2022】阪神のCS注目ポイントを紹介!

図2 開幕から10月3日までの各球団のピタゴラス勝率と実際の勝率

ポストシーズンを制するのは

ここまで、「平均得失点」と「ピタゴラス勝率」の観点から、各球団の9月・10月の戦いを振り返った。レギュラーシーズンが全て終わり、今シーズンの戦いもいよいよ大詰めである。ポストシーズンを制し、日本一となるのはどのチームなのか最後まで注目したい。

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Baseball Geeks編集部