プロ野球

データで順位を大胆予想!ピタゴラス勝率でみる今季プロ野球の展望は!



目次
ピタゴラス勝率の算出方法と勝率との関係
ピタゴラス勝率からみる昨シーズンの特徴
今シーズンのペナントレースの展望

開幕から5カードが経過し(7/6現在)、プロ野球に対する注目度は日に日に増している。スタートダッシュを成功させたチームもあれば開幕前の予想に反して勝ち星を稼げていないチームもあり、結果を見て一喜一憂するファンも多いかもしれない。

今回は「ピタゴラス勝率」という指標を用いて、今シーズンのペナントの展望について考察していく。
参考:【2020年】新外国人投手を徹底解剖!データでみる速球1位は!?

ピタゴラス勝率の算出方法と勝率との関係

ピタゴラス勝率とは、セイバーメトリクスの生みの親であるビル・ジェイムズが考案した指標で、算出する式が数学に出てくるピタゴラスの定理の式に似ていることからこの名前が付けられた。
計算式は以下の通りである。

ピタゴラス勝率 = 得点の二乗 ÷(得点の二乗+失点の二乗)

見ての通り、算出に必要なのはチームの得点と失点の2つだけである。また、非常に簡易的なデータから算出されるにもかかわらず、このピタゴラス勝率は実際の勝率とかなり相関が高いことがわかっている(図1)。
つまり、この指標を使うと、現在の得失点状況から統計的にチームがどれくらい勝利できるのか予想することが可能になるということである。

そのため、これまでは「あのチームは最近ノリにのってるから優勝するかもしれない」と漠然としていた予測から、「あのチームはここ10試合で35得点30失点だから0.576程度の勝率を残して優勝するだろう」という細かな予測ができるようになるのだ。

図1 ピタゴラス勝率と実際の勝率の関係

万が一、算出したピタゴラス勝率と実際のチームの勝率の間に大きな差があるとしたら、それは偶然の要素が大きく影響している可能性が高い。そのため、時間の経過とともに実際の勝率がピタゴラス勝率に近づいていくということも予想できる。

ピタゴラス勝率からみる昨シーズンの特徴

ピタゴラス勝率は代入する得点が大きく、失点が少ないとその値が大きくなる。言い換えると、シーズンで多くの勝利を積み重ねるためにはより得点を増やし、より失点を防ぐことが重要ということである。

それでは実際に、昨シーズンのプロ野球12球団の勝率とピタゴラス勝率の関係をみてみる(図2)。基本的にはピタゴラス勝率が高いチームが高い勝率を残していることがわかるが、完全に比例(図中、点線)しているわけではない。

図2 昨シーズンのピタゴラス勝率と実際の勝率の関係

例えば、昨シーズン各リーグでBクラスに終わったロッテと中日はピタゴラス勝率よりも実際の勝率が低い。つまり、統計的にはもっと勝率が高くてもおかしくなかったということである。逆に、パ・リーグを制した西武、日本一のソフトバンクは実際の勝率がピタゴラス勝率を上回っており、統計的にはもっと勝率が低いはずであったといえる。これらのチームの差はどこにあるのだろうか。

ピタゴラス勝率が低かった前者の2チームは、言い換えると得失点差を作れたにも関わらず、勝利に結びつけることができなかったということである。これは、接戦での弱さや負け試合をうまく作れなかったことが原因の一つであると考えられる。一方後者の2チームは、接戦にも強く、負け試合をうまく作ることができたことで、得失点差の割に勝利を増やすことができたのだろう。
参考:ポジション別OPSからみるチーム編成と育成

今シーズンのペナントレースの展望

最後に、先週(7/5)までのプロ野球の結果から各チームのピタゴラス勝率を算出し、実際の勝率と比較していく(図3)。

図3 7月1週目までの試合結果からみるピタゴラス勝率と実際の勝率の関係

パ・リーグの注目は、ロッテ(現在2位)である。ロッテはピタゴラス勝率では、西武(現在3位)・ソフトバンク(現在4位)を下回っている。数試合前までは1位ではあったものの、試合を重ねていくにつれて順位の入れ替えが起きる可能性が高いことを意味している。

同様にセ・リーグでは、広島(現在5位)のピタゴラス勝率がヤクルト(現在3位)・中日(現在4位)を上回っている。そのため、広島が今後Aクラスに浮上する可能性が高いといえるだろう。

また、勝率が12球団ワーストタイであったオリックスのピタゴラス勝率は、実際の勝率を大きく上回っている。これは、統計的にはもっと勝利数が多くても不思議ではなかったことを意味している。接戦での弱さや、うまく負け試合を作ることが今後の課題となるかもしれない。

このように、ピタゴラス勝率を使うことで得失点状況から簡単にチームの勝率を予測することができる。今後のペナントレースの順位予想に、このピタゴラス勝率を使ってみてはいかがだろうか。

Baseball Geeks 編集部