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プロ野球

【あの人は今?】元読売マイコラスの活躍を振り返る!大きく曲がるカーブで打者を翻弄



目次
4球種をバランスよく投げ込む
制球力抜群のカーブで空振りを奪う
カージナルスを優勝に導けるか

元読売マイコラスの活躍が止まらない。4月には19イニング連続無失点を記録。6月10日には8回85球という省エネピッチングで完投をすると、6月15日には9回2死までノーヒットピッチングを披露(時間は現地時間)。登板機会はなかったものの、オールスターにもコービン・バーンズ(ブリュワーズ)の代役として選出された。

マイコラスは読売で3シーズン活躍した後にメジャーに復帰、2018年にはナショナルリーグ最多勝(18勝)を獲得した。しかし、ここ2年は右腕の故障に苦しみ、今シーズンは勝負の年となっている。そんなマイコラスはどのようなピッチングをしているのだろうか。トラッキングデータを分析して紹介する。
参考:2018年の活躍元読売マイコラスをデータで分析!最大の武器はスライダーの制球力!

4球種をバランスよく投げ込む

まず、投球割合と平均球速をみていく(表1)。投球割合はスライダーと2シームが3割弱で、4シームとカーブが2割ほどである。4球種をバランスよく投げ分け、打者に狙いを絞らせない投球をしている。球速はメジャー平均に近い球種が多い。ただしカーブはメジャー平均より低速なボールとなっている。
参考:【2021年】球速アップのメリットとは?データからその重要性を再確認!

表1 マイコラスの各球種の平均球速と投球割合

2022年のデータを分析。カッコ内はメジャー平均。データは6月28日時点(以下も同じ)。

続いて、ボールの変化量をみていく(図1)。投球の軸であるスライダーは高速でスライド成分が小さく、バットの芯を外すボールとなっている。4シームはいわゆる真っスラ系の球質だ。4シームと2シーム・スライダーは球速と変化量が近いため、4シームを中心にピッチトンネルを構成しやすくなっている。また球速の遅いカーブはドロップ成分が大きく、空振りを取りやすいボールとなっている
参考:マリナーズ菊池雄星の新球種の創り方!感覚とデータが融合する最先端の「ピッチデザイン」とは

図1 マイコラスの各球種のボール変化量

制球力抜群のカーブで空振りを奪う

ここで、リスク管理表をみてみよう(図2)。ゴロ割合はメジャー平均を上回っており、ゴロで打者を打ち取ることが得意なようだ。完全アウト割合の低さと外野フライの割合の高さは懸念点といえるが、四死球割合は日本時代から一貫して低い値を記録している。
参考:奪三振の重要性とは!勝てる投手のリスク管理能力を分析

図2 マイコラスのリスク管理表

最後に変化が大きく特徴的なカーブの到達位置をみてみる(図3・4)。カーブを低めに集め、特に右打者の外角低めへのカーブで空振りを多く奪えているようだ。実際、ノーヒッター未遂を記録した6月15日のピッチングではカーブを多用して打者を抑えていた。

図3 マイコラスのカーブ到達位置(全投球)
図4 マイコラスのカーブ到達位置(空振り)

※赤いエリアほど投球割合が高いことを示す

カージナルスを優勝に導けるか

ここまで、元読売のマイコラスの活躍を紹介した。4球種をバランスよく投げ込み、ゴロ主体で打者を抑えていることがわかった。今年は4年契約の3年目で、今後の契約に向けても大事な年になる。首位争いをするカージナルスを優勝に導く活躍をできるか注目だ。

マイルズ・マイコラス

Miles Tice Mikolas
1988年8月23日 右投右打
パドレス(2012-2013)ーレンジャーズ(2014)ー読売(2015-2017)ーカージナルス(2018-2019. 2021-)
【メジャー通算成績(2021シーズン終了時)】110試合(83先発)33勝27敗 防御率3.85
【プロ野球通算成績】62試合(62先発)31勝13敗 防御率2.18

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Baseball Geeks編集部