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プロ野球

ロッテの新外国人ゲレーロを分析!最速167キロの豪速球は火を吹くか!?



目次
速い。とにかく速い。
四死球の多さが課題
球速、それはいつの時代もロマン

投手を評価する際に欠かせない要素が球速だ。球速は投手の可能性の大きさを評価するバロメーターとして機能する。新戦力には最速〇〇キロという表現が紙面を飾り、ファンの心を躍らせる。そんな最速の記録をすべて塗り替える可能性のある男が来日する。彼の名はタイロン・ゲレーロ。ロッテが獲得を発表した最速167キロ右腕だ。今回は、そんなゲレーロの投球をトラッキングデータから分析していく。

ゲレーロはメジャー通算113試合に登板、すべてリリーフ登板となっており、ロッテでも救援投手として起用されることが予想される。ここ2年はメジャーでの登板がないため、本記事では最後に登板をした2019年のデータを利用する。
参考:球速アップのメリットとは?データからその重要性を再確認!

速い。とにかく速い。

まず、平均球速と投球割合をみていく(表1)。とにもかくにも球速が速いのが特徴だ。4シームの平均球速は159キロ、スライダーも140キロを越えている。2018年には最速167.4キロも記録。これはプロ野球の最速記録(166キロ:ビエイラ(読売))よりも高速である。プロ野球の最速記録を塗り替える可能性は十分に考えられるだろう。投球割合は4シームが7割であり、剛速球を投げまくる投手であることがわかる。

表1 ゲレーロの各球種の平均球速と投球割合。

2019年シーズンのデータを分析。カッコ内はメジャー平均

続いて、ボールの変化量をみていく(図1)。4シーム、スライダーともにメジャー平均に近いボールとなっている。球速は速いが、変化は平均的なようだ。

図1 ゲレーロの各球種のボール変化量

四死球の多さが課題

リスク管理表をみると、完全アウト・ゴロ・外野フライの割合がメジャー平均より低くなっている。というのも、四死球の割合が極端に高いために、他のイベントの割合が低くなってしまっているのだ。2019年は46イニングで42四死球と1イニングに1個のペースで量産している。四死球を減らさないことには、プロ野球での大活躍も難しいだろう。

図2 ゲレーロの2019年のリスク管理表

特に改善が求められるのがスライダーの制球だ(図3:赤いエリアほど投球率が高い)。スライダーはど真ん中・コース隅・明らかなボールゾーンの3つのエリアに投球されることが多いようだ。もし、狙ってコース隅に投げられるようになれば、大きな武器になるだろう。来日後スライダーの制球を磨いて活躍した投手の例として、ビエイラ(読売)があげられる。ゲレーロとビエイラは、南米出身・剛速球・4シームとスライダーの2球種メインという点で共通点が多くある投手である。ビエイラのように最初はプロ野球に苦戦しながらも、徐々に適応していくパターンも考えられる。

図3 ゲレーロのスライダー到達位置

球速、それはいつの時代もロマン

今回は、ロッテに入団が決まったゲレーロの投球をみてきた。圧倒的な球速が特徴であり、課題であるコントロールを克服できれば大活躍する可能性が十分にあるといえるだろう。ロッテは近年、澤村拓一や国吉佑樹といった速球派右腕を上手に戦力として活用している。ゲレーロについてもコントロールを矯正する極秘プランがあるのかもしれない。課題を克服し毎試合のようにプロ野球最速記録をだすゲレーロの姿を見るのが楽しみだ。

タイロン・ゲレーロ

Tayron Luis Guerrero
1991年1月9日生まれ(31歳)、右投右打
パドレス(2016)ーマーリンズ(2018-2019)ーロッテ(2022)
【メジャー通算成績】113試合(0先発) 2勝5敗 防御率5.77

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Baseball Geek編集部