![](/wp-content/uploads/2021/04/numberComment-blue.png)
DeNAの新外国人ロメロを分析!平均156キロの高速2シームに注目!
![](https://www.baseballgeeks.jp/wp-content/uploads/2021/01/6414d2afac7fb57ea162a0d32f535e3b.jpg)
2020年はBクラスに転じてしまったDeNA。チームは投手補強のために、前ミネソタ・ツインズのフェルナンド・ロメロを獲得した。メジャーデビュー前のプロスペクトランキングでは全マイナー選手のうち71位に選出されたほどの有望株だが、昨シーズンは就労ビザの問題で登板機会がなかった。今回は、最後にメジャー登板のあった2019年のトラッキングデータからロメロの投球を分析していく。
参考:【ドラフト特集】年齢構成からみる各球団の補強ポイント~DeNA編~
投球の軸は高速2シームとスライダー
まずはじめに、平均球速と投球割合をみていく(表1)。最も投球割合が高い球種は、平均156キロの高速な2シームである。約6割という投球割合の高さからも、このボールに対する自信がうかがえる。次いで、スライダーの投球割合が高い。球速比こそ平均的だが、速球派の投手ということもあり、平均球速は140キロとこちらも高速なボールである。これら2球種合わせて投球割合の約9割を占めており、投球の軸となっているといえる。
![](https://www.baseballgeeks.jp/wp-content/uploads/2021/01/6a60252eefdfd0c9affe7212a7d3f046.jpg)
2019年シーズンのデータを分析。カッコ内はメジャー平均
また、投球割合こそ低いものの、平均球速150キロに迫るチェンジアップも非常に特徴的だ。日本のプロ野球ではほとんど目にすることがないボールであり、攻略することは容易ではないだろう。
役割の異なる2球種の組み合わせがポイント
続いて、各球種のボール変化量をみていく(図1)。投球の中心となっている2シームは逃げながら小さく落ちるような球質である。高速なボールということもあり、芯を外してゴロを量産するような投球が期待できる。
![](https://www.baseballgeeks.jp/wp-content/uploads/2021/01/112a0763f4ac90725c99efa97c763f59.jpg)
スライダーは平均よりも落差が大きなボールである。高速に変化する特徴から、いわゆるパワーカーブのような球質であるといえる。投球の軸となる2シームのシュート成分が大きいこともあり、打者は実際の変化量以上に曲がっているように感じるかもしれない。特に右打者からは空振りを量産する姿が目に浮かぶ。
![](https://www.baseballgeeks.jp/wp-content/uploads/2021/01/22e1a258e454eb2bc2190ce87dc4612f.jpg)
リスク管理表をみてみると、完全アウトとゴロの割合がメジャー平均を超えている(図2)。2019年は14イニングのみの投球ではあるが、ロメロはリスク管理能力が高い投手といえそうだ。好成績の要因として、ゴロを奪える2シームと空振りを奪えるスライダーの組み合わせが挙げられる。四死球の割合の高さこそ不安要素ではあるものの、これら2球種を確実にコースに制球することができれば、日本球界での活躍は間違いないだろう。
参考:奪三振の重要性とは!勝てる投手のリスク管理能力を分析
制球力を克服し日本球界で活躍なるか
今回は、ロメロの投球データを分析してきた。活躍のポイントとなるのは、不安要素である制球力だろう。言い換えれば、2シームもスライダーもコースに決まればかなり攻略が難しいボールである。メジャー時代には先発・中継ぎの両方を経験しているが、DeNAではどのような起用がされるか注目である。まだ26歳と若く、長期に渡ってDeNAの投手陣を支えてくれる存在になることに期待したい。
参考:【プロ野球】オープン戦の活躍はシーズンに直結するのか?~投手編~
フェルナンド・ロメロのプロフィール
Fernando Romero
1994年12月24日生まれ(26歳)、右投右打
ツインズ(2018-2019) ー DeNA(2021)
【メジャー通算成績】
26試合 3勝4敗0セーブ 防御率5.17
Baseball Geeks 編集部