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プロ野球

サイ・ヤング賞投手トレバー・バウアーは沢村賞も獲得できるのか!?その凄さを分析!



目次
メジャー平均を2割近く上回る圧倒的な完全アウト率
多彩な球種を操る投球術
優勝の立役者へ

トレバー・バウアー投手がDeNAに電撃入団し、注目を集めている。投げる科学者とも評されるバウアーは、2020年にサイヤング賞を獲得するなど、メジャーでも輝かしい成績を残している。それと同時に、登録者50万人超えのYoutuberとしての顔を併せ持つ、珍しい選手でもある。そんなバウアーは一体どのようなピッチングをするのだろうか。本記事ではそんなバウアーの投球をトラッキングデータを元に分析していく。参考:【WBC特集】ダルビッシュの2022年データを分析!空振りを量産し自己最多タイの16勝を記録

メジャー平均を2割近く上回る圧倒的な完全アウト率

バウアーの圧倒的なピッチングを紹介するために、サイヤング賞を受賞した2020年と最後に登板をした2021年のリスク管理表を示す(図1、2)。

特筆すべきは完全アウト(三振+内野フライ)の割合だ2020年の完全アウト率は5割に迫り、メジャー平均を20%近く上回っている。メジャー最終年度となった2021も平均より10%高い値を残しており、メジャーでも圧倒的なピッチングをしていたことがうかがえる。さらに、どちらの年も四死球割合はメジャー平均を下回っており、三振を取るだけでなく制球力にも優れているといえるだろう。

図1 バウアーのリスク管理表(2020年)
図2 バウアーのリスク管理表(2021年)

多彩な球種を操る投球術

では、なぜバウアーは三振を量産することができるのだろうか。その秘訣を探るために、ボール変化量を見ていく(図3)。

打者の予測を裏切る多彩な球種

注目すべきは、メジャー平均(灰色の丸)との変化量の違いだ。例えば、4シームはメジャー平均と比べて10cmほどホップ成分が大きい。スライダーは横の変化量がメジャー平均の2倍以上である。また、カットボールはメジャー平均よりも20cm程落ちる。これらに加え、チェンジアップのシュート成分がメジャー平均よりも大きい。つまり、全ての球種が平均から「逸脱」する変化量となっている。多彩な球種で打者の予測を裏切るボールを投球することが、空振り量産の大きな秘訣といえるだろう。
参考:【2021年】メジャーリーグで投球される球質の特徴~ボール変化量とは~

図3 バウアーの変化量

また、空振りの秘訣は各球種の球速と投球割合にもある(表1)。どの球種もメジャー平均とほぼ同じ球速であるものの、投球割合が特徴的だ。4シームやカットボール・スライダーに加えて、球速差と落差の大きなカーブを満遍なく投げている。球速帯のバリエーションも多く、打者は狙いを絞りづらいでなく、タイミングを合わせにくい投球となっているのだろう。
参考:「先発タイプ」ってなに?持ち球からその適性を考える

表1 バウアーの球速と投球割合

意図したボールを投球し続ける制球力

また、各球種の到達位置を見てみる。スライダーやカットボールは右打者の外角低めに投げることが多く、そのエリアからボールゾーンに曲がっていくボールを投げた際には空振りを取れている(図4) 。4シームで空振りを取る際も、空振りを奪いやすい高めに徹底して投げられているのだ。カウントを取る時と空振りがほしい時でコースを投げ分けるコントロールがあるということもバウアーの特徴である(図5)。

図4 スライダーの到達位置(空振り)
図5 4シームの到達位置(空振り)

優勝の立役者へ

ここまで、メジャー時代のバウアーを振り返ってきた。先日の一軍初登板では7回1失点9奪三振で初勝利を手にした。サイ・ヤング賞投手の圧倒的な投球で、DeNAを優勝に導くことはできるのか。ここからの活躍に是非注目したい。

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