MLB

大谷翔平の2019年シーズンをデータで評価!今季活躍の鍵は打球角度?!

開幕の遅れにより、今シーズンからの大谷翔平の二刀流復帰が現実味を帯びてきた。初年度シーズン終了後に受けたトミー・ジョン手術(右肘靱帯再建手術)のリハビリのため、昨シーズンは打者としてのみの出場であった。

今回は、打者に専念した大谷の昨シーズンの成績と、新人王に輝いたメジャー初年度シーズンの成績を比較し、今シーズンの打者としての活躍のポイントを探っていきたい。

最大の特徴である打球速度は昨シーズンも健在!

昨シーズンは打率.286、18本塁打、12盗塁と打撃・走塁ともにまずまずの成績を残した(表1)。初年度と比較すると、安打数が増加し打率も微増させることができた。

表1 2018年度と2019年度シーズンの成績比較
年度打率試合数安打本塁打三振盗塁出塁率長打率OPS
2018.285104932210210.361.564.925
2019.2861061101811012.343.505.848

次に着目したい指標が平均打球速度だ。打球速度が高まるほど長打や安打が増えることも分かっており、打者の能力を評価するうえで非常に重要な指標とされている。
昨シーズンの平均打球速度は149.3キロであり、初年度の149.0キロよりも微増していた。これはMLB全体でも8位にランクインする数値であった(表2)。この高い打球速度が大谷最大の特徴で、高い打率の秘密でもある。
参考:【MLB打者ランキング2019】大谷翔平・ジャッジらの順位は!?

詳しくは後に述べるが、唯一気になる点とすれば、初年度と比較してOPS(出塁率、長打率ともに)が大きく低下していることである。

表2 2019年 平均打球速度ランキング
順位名前
(チーム)
平均打球速度
(km/h)
最高打球速度
(km/h)
1A.ジャッジ
(ヤンキース)
154.3190.1
2M.サノ―
(ツインズ)
151.9 183.8
3N.クルーズ
(ツインズ)
150.8 188.3
4F.レイエス
(ツインズ)
150.2 185.1
5C.イエリッチ
(ブルワーズ)
149.8 189.7
6J.ドナルドソン
(ブレーブス)
149.5 183.8
7Y.モンカダ
(ホワイトソックス)
149.3 186.4
8大谷翔平
(エンゼルス)
149.3 185.2
9K.シュワーバー
(カブス)
149.2 189.3
10M.チャップマン
(アスレチックス)
149.0 184.1

ゴロの増加、外野フライの減少によるOPS低下が課題

平均打球速度が高く打率も微増した大谷であったが、昨シーズンの「打者大谷」は良かったところばかりではない。

注目してもらいたいのがOPSである。OPSは打率よりも得点に寄与することがわかっている。このOPSをみると、初年度と比較して大きく低下していたのである(表1)。

打席内容を比較してみると、三振の減少と引き換えにゴロの割合が大きく増加してしまった(図1)。平均打球角度についても、ゴロ打球の増加と同時に、初年度12.3°に対し、昨シーズン6.8°と低下していた。

図1 大谷翔平のリスク管理表

また、初年度と比較して、外野フライ時の平均打球速度が低下しており、外野フライの質が低下していることもわかる(表3)。
外野フライの割合自体は上昇しているが、フライの質が向上せず本塁打は低下した。

表3 打球毎の平均打球速度。ゴロの打球速度は高くなっているが、外野フライの打球速度が低下している
イベント2018年度(km/h)2019年度(km/h)
ゴロ141.6143.3
内野フライ125128.7
ライナー157.5157.5
外野フライ157.4153.6

ゴロの平均打球速度が向上していることを考慮すると、スイング自体がダウンスイング気味に、もしくはインパクトポイントがダウンスイングフェーズになってしまっているのかもしれない

MLBでも屈指の打球速度を有するため、長打や本塁打をより増やすポテンシャルは持っている。
三振を恐れずにフライ打球を放てるスイングやポイントで打撃することで、初年度をも上回る本塁打やOPSを記録できるであろう。

高い打球速度・角度を維持できるかがポイントに!

最大の特徴である高い打球速度はもちろんのこと、打球に角度をつけられるかが今シーズンのポイントとなってくるだろう。"二刀流"として"投手大谷"の復活に注目が集まるが、高いポテンシャルをもつ"打者大谷"の更なる活躍にも大きく期待したい。

Baseball Geeks 編集部