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MLB

【あの人は今?】元中日J.ロドリゲスの活躍をデータから振り返る!



目次
超高速チェンジアップが最大の武器!
2シームはまるでサイドスロー投手の速球?
今季は激戦区ア・リーグ西地区に注目!

今シーズンのプロ野球は、オリックスの11年ぶりの優勝で交流戦が幕を閉じた。連日みられた激戦のなかには、助っ人選手たちの活躍も数多くみられた。また、最近ではかつて日本球界でプレーした外国人選手が、退団後にメジャーで活躍するケースも多い。元中日のジョエリー・ロドリゲスも、昨シーズンからテキサス・レンジャーズでプレーしている。

ロドリゲスは2018年~2019年に中日に在籍し、プロ野球の左腕として最速の159キロを記録、2019年には最優秀中継ぎタイトルを獲得した選手だ。昨シーズンは、短縮シーズンのなか12試合登板、防御率2.13を記録している。今シーズンは、すでに19試合に登板しているが防御率は7.27(6月15日時点)となっており、本調子とはいかないようだ。そこで今回は、メジャー復帰後のロドリゲスをトラッキングデータから分析し、今シーズンの活躍を占う。
参考:【あの人は今】元阪神P.ジョンソンの活躍をデータから振り返る!

超高速チェンジアップが最大の武器!

まず、各球種の平均球速と投球割合をみていく(表1)。持ち球は4球種で、速球系のボールはメジャー平均程度の球速を記録している。また、2シームに次いで投球割合が高いチェンジアップは、球速比94%とかなり高速なボールであることがわかる。

表1 各球種の平均球速と投球割合。2シームとチェンジアップを軸に投球を組み立てている

カッコ内は2021年のメジャー平均(6月8日時点)

持ち球の数は救援投手として平均的だが、主体となる球種は2シームとチェンジアップの2種類である。つまり対戦する打者は、これらを攻略できるかどうかがポイントとなるだろう。
参考:「先発タイプ」ってどんな投手?持ち球からその適性を考える

2シームはまるでサイドスロー投手の速球?

次に、各球種のボール変化量をみていく(図1)。中心となる2シームとチェンジアップはそれぞれかなり特異なボールで、多くの打者が見慣れないボールだろう。

図1 各球種のボール変化量。落差のあるチェンジアップが特徴

データは6月8日時点。

2シームは一般的な投手よりもシュートしながら沈むボールで、まるでサイドスロー投手の速球のような球質だ。彼の持つ最高球速を考慮すれば、多くの右打者がこのボールに差し込まれることは明白である。また、チェンジアップは落差が非常に大きいのが特徴的だ。似た球質として前田健太の同球種が挙げられるが、ロドリゲスはさらに高速なボールである。通常、落差や曲がり幅といった変化量と球速はトレードオフの関係にある。つまり、落差の大きなボールは基本的に低速な傾向があるということだ。しかしながらロドリゲスは、高速かつ大きく落ちるチェンジアップを投球しており、打者を打ち取っているのだ。
参考:前田健太・ダルビッシュ有の開幕戦を振り返る!データからみえた課題とは?

さらに、2シーム・チェンジアップに次いで投球割合が高い4シームを含め、3球種の変化量が比較的まとまっている点にも注目したい。高速かつ小さく動く3種類のボールを投げ分けることで、いわゆるピッチトンネルを構成した投球に期待が持てる。特に、高めの4シームと2シーム・チェンジアップの組み合わせは左右どちらの打者に対しても有効になるだろう。各球種をコースに制球することができるかどうか注目である。

今季は激戦区ア・リーグ西地区に注目!

今回は、元中日のジョエリー・ロドリゲスのデータをみてきた。今シーズンは調子が安定していないものの、昨シーズンの活躍から、中継ぎとして多くの登板機会を与えられている。ロドリゲスが在籍するレンジャースは、有原航平やアドリス・ガルシアなどプロ野球にゆかりのある選手が他にも所属している。それだけでなく、今シーズンのア・リーグ西地区は激戦となっており、見どころが満載だ。普段メジャーリーグを観戦しない野球ファンも、これを機に注目をしてみてはいかがだろうか。

ジョエリー・ロドリゲス プロフィール

1991年11月14日生まれ、29歳、左投左打、フィリーズ(2016-2017)-中日(2018-2019)-レンジャース(2020)
【NPB成績】
2018-19(中日) 90試合 3勝7敗 防御率1.85
【MLB成績】
2020年(レンジャース) 12試合 0勝0敗 防御率2.13

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Baseball Geeks編集部