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tanaka2018



目次
ビジネスでは意思決定のためのデータ分析は当たり前!
野球のデータ分析者に求められるスキルとは
トレーニングに繋がるアナリティクス
目新しいデータに関わる姿勢
プロだけじゃない!アマチュア野球にも拡がりを見せるデータ分析

ビジネスでは意思決定のためのデータ分析は当たり前!

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ビジネスの世界では、データを加工して得た情報をさらに精査して、意思決定者のニーズに沿った価値ある判断材料を取り出すことが必要である。これら手法や技術をビジネスインテリジェンスと呼び、重要なビジネス上の出来事について客観的かつ深く理解できるようになってきている。野球においても、1970年代にセイバーメトリクスが提唱され、監督や球団オーナーなどの意思決定者のニーズに対して統計学的なインテリジェンスが提供されてきた。

野球のデータ分析者に求められるスキルとは

テクノロジーの進歩によって入手できるデータが飛躍的に増えている。野球場に設置されたカメラやレーダーによって、起こることすべてが3次元で記録できる時代になってきているのだ。
これまで扱ってきた統計学的な評価指標に加えて、物理学的な情報も含まれるようになった。テクノロジーの進歩によって統計学では予測がしにくい対象にまで言及できるようになってきている。
参考:菊池雄星が語る!感覚×データ×映像で進化する「第3の球種」開発秘話

野球の統計データがもっとも役立つのはメジャーリーグで、下位のリーグへ降りていくほど有効性が薄れていく

とアメリカの統計学者ネイト・シルバー氏は述べている。
つまり、統計学は、過去の成績の延長線上に予測を位置づけるため、若い選手やアマチュアの選手のようにデータが少なかったり、偏りがある場合は予測することが難しくなる
一方、物理学的なデータは、この点においてはサンプルが少なくても選手を評価することができる
例えば、近年ボールの変化の大きさを定量化することができるようになりました。打ち取る能力の高い投手のボールの変化の大きさがわかっていれば、いくらサンプルが少なくても「○○投手くらいの奪空振率を残す可能性がある」と未来を予測することができる。
このように統計学が重要視されつつある野球界において、メジャーの球団で雇用されているアナリストは、統計学、機械学習、プログラミングの知識を持った人がほとんどだった。
近年の動向としては、物理学を専攻した人が球団に採用されている。NASA(アメリカ航空宇宙局)の研究員がMLBのあるチームに採用されたという話もあるくらいだ。
つまり、テクノロジーの進歩によって採取できるデータの種類が変化しており、それに伴って野球のデータを扱う人に求められるスキルも変化してきているということが言える。

トレーニングに繋がるアナリティクス

バブソン大学経営・情報テクノロジー特別教授のトーマス・H・ダベンポート氏は「アナリティクス3.0」の中で3つのアナリティクスの種類について述べている。
過去について報告する説明的アナリティクス、過去のデータに基づくモデルを使って将来を予想する予測的アナリティクス、最適な行動や活動を特定するのにモデルを使用する指示的アナリティクスだ。
「アナリティクス3.0」では、指示的アナリティクスが特に重視される。単に未来を予想するだけでなく、どのような行動をとるのが望ましいかまでを明らかにする分析の価値が高まっている。
アナリティクス3.0を野球に置き換えると以下のようになる。

説明的アナリティクス

過去のデータを用いて選手を評価します。ここはセイバーメトリクスの出番でしょう。

予測的アナリティクス

運の要素が少ない指標を扱ったり、選手の実力が年齢とともにどう変化するか(エイジングカーブ)を理解することで、将来的に選手がどうなるかを予測していく。

指示的アナリティクス

目標とする指標に対して、どのようなトレーニングを行うことでそれが達成されるのかまで提案できる分析を行う。例えば、OPS(出塁率+長打率)という指標だが、得点を奪う能力を表す重要な指標であるということは分かっている。
では、この指標がどのようにして向上するのか?は今のところ分かっていない。これからは、トレーニングにまで言及できるような分析が必要ということだ。
この領域は、統計学ではなく、運動生理学やバイオメカニクス、栄養学などスポーツ科学分野が守備範囲になってくるのかもしれない。

目新しいデータに関わる姿勢

あなたが予測者として優秀であるかどうかは、情報を多く手にするほど予測が当たるようになるかによってわかる。情報が増えたのに予測の的中率が下がるようなら、あなたの姿勢に問題がある。

これもネイト・シルバーの言葉だ。
これからの野球のデータ分析は、確実にこれまでとは違った、新しい情報が入手できる時代になる。これら新しい情報を正しくインプットできる能力は、選手評価や新しい予測モデルの構築、さらにはテーラーメイド型のトレーニングの提案などのアウトプットに大きく関わる。
ここで言う「正しくインプットできる能力」は、ただ知識を増やすだけではない。新しい情報を使ったデータ分析によって、これまで経験的に語られていた事象とは正反対の理論や、考え方が出てくることが予想される。
今までの考え方を捨てて、新しい情報にアップデートする必要もあるということだ。
ネイト・シルバーは、こんなことも述べている。

新しい情報に接したとき、どのように反応するか。状況の変化に腹をたてて、過剰に反応するか。あるいは予測が外れそうな事実に直面したとき、冷静に考えを変えることができるか。

新しいデータを扱う者の姿勢としては、心にとめておきたい言葉だ。

プロだけじゃない!アマチュア野球にも拡がりを見せるデータ分析

データ活用の波はアマチュア野球界にも訪れようとしている。先ほど取り上げたボールの変化量だが、これを計測できる簡易型のトラッキングシステムや、ボールにセンサーが埋め込まれたトレーニングボールも発売されている。データをどのように取得し、競技力向上にどのように生かしていくのか?スポーツ科学を活用し、効率的にスキルアップする時代が野球の現場にも来ている。

参考:ドジャース前田健太投手快投の鍵は「落ちる」チェンジアップ

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Baseball Geeks編集部