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プロ野球

ロッテの新外国人投手ジャクソンを分析!シュート系4シームと2種類のスライダーを駆使



目次
投球割合の半分以上がスライダー!
2種類のスライダーを駆使!?
奥行系のチェンジアップ持ち…?

今回はロッテに入団したジェイ・ジャクソン投手について紹介する。かつて広島で勝利の方程式の一角を担っていたジャクソンが、メジャーを経てどのような投手になったのか。ジャクソンの投球をトラッキングデータを用いて分析していく。

投球割合の半分以上がスライダー!

まず、ジャクソンの投げる球種の球速と投球割合を見ていく(表1)。

表1:球速と投球割合。投球の半分以上がスライダーである
球種球速
(km/h)
球速
(%)
投球割合
(%)
4シーム151.9
(150)
100
(100)
41.7
チェンジアップ140.4
(136)
92.4
(91)
3.0
スライダー138.9
(136)
91
(91)
55.3

2019年シーズンのデータを参考。カッコ内はメジャー平均

ジャクソンの持ち球は4シーム・チェンジアップ・スライダーの3球種である。球速は全球種メジャー平均を超えており、スピードボールは健在であった。
また、速球の印象も強いジャクソンであるが、最も投球割合が多かったのはスライダーであった。投球割合の9割以上が4シームとスライダーであり、その2球種で組み立てているといえる。

2種類のスライダーを駆使!?

次にジャクソンが投げるボールの変化量を見ていく(図)。

図1:各球種のボール変化量。ジャクソンが投げる4シームはシュート成分が大きい

ジャクソンの投げる4シームはメジャー平均よりもシュート成分が大きい。手元でノビるよりも、シュート系の球質といえるだろう。
また、スライダーの中での変化の幅が大きく、小さな変化のスライダーと大きな変化のスライダーを両方投球している。投げ分けているのか、リリースのタイミングの影響で変わってしまうのかはわからないが、何れにしても打者にとっては軌道が予測しにくいボールといえるだろう。
参考:“回転数多い=ノビのある球”ではない? データから迫る「ノビ」の正体

奥行系のチェンジアップ持ち…?

続いてボールの回転数と縦横の変化量をみていく(表2)。

表2:各球種のボール変化量。チェンジアップのホップ成分が大きい
球種球速
(%)
回転数
(rpm)
横変化
(cm)
縦変化
(cm)
4シーム100
(100)
2383.1
(2263)
29.7
(19)
38.8
(40)
チェンジアップ92.4
(91)
1884.9
(1775)
26.9
(34)
30.8
(18)
スライダー91
(91)
2444.1
(2394)
-12.1
(-15)
4.7
(5)

2019年シーズンのデータ。カッコ内はメジャー平均

第3の球種として、チェンジアップにも注目したい。投球割合は少ないものの、縦の変化量が大きな、打者の手元で伸びるチェンジアップとなっている。高速系の速球・スライダーに続き、「奥行」を使ったチェンジアップを投球すれば、よりピッチトンネルを構成することが容易になる。チェンジアップがジャクソンの「第3の球種」として投球割合が高くなれば、打者にとって対戦するのがより嫌な投手になるだろう。
参考:マリナーズ菊池雄星の新球種の創り方!感覚とデータが融合する最先端の「ピッチデザイン」とは

広島時代より進化した姿を見せることが出来るのか

ここまで、広島からメジャー経験を経て日本球界に復帰するジャクソンの投球を分析してきた。速球は非常に速く、スライダーの変化も非常に厄介な投手であろう。この2球種でも非常に厄介な投手であるが、ここに奥行系のチェンジアップが加わると打者は打ち崩すのが困難な投手になるかもしれない。

動画:ジャクソンのメジャー時代の投球。広島時代と同様に中継ぎとして活躍していた

大型ルーキーの加入やFA選手獲得とロッテは日に日に注目が高まっている。経験豊富なジャクソンが救援陣の柱となれば、15年ぶりのリーグ優勝も見えてくる。

ジェイ・ジャクソンのプロフィール

ジェイ・ジャクソン Jay Jackson
1987年10月27日生まれ、32歳、右投げ右打ち
パドレス2015-広島2016-ブリュワーズ2019-ロッテ2020
通算メジャー成績
34試合 1勝0敗 防御率4.67(2015、2019)

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Baseball Geeks 編集部