プロ野球

佐々木朗希の球質を大公開!163キロ右腕の凄みと将来像とは!

いよいよドラフト会議当日となった。今年の目玉の1人は大船渡高校の佐々木朗希投手であろう。MAX163キロ右腕の行く末に、多くのファンが注目している。星稜高校の奥川投手、明治大学の森下投手と並んで既に1位入札を表明している球団も現れている。

今回は、昨冬の佐々木投手トラッキングデータを分析し、今後どんな投手になっていくのかを考えていきたい。

佐々木朗希の凄さと将来像とは!
佐々木朗希の球質はシュートが大きい!?
注目右腕・奥川恭伸との比較は?
佐々木朗希の将来像

佐々木朗希のストレートの特徴とは!

早速、佐々木投手のデータをみてみる。
最も特徴的なのはストレートの球速で、平均152キロを記録した。メジャー平均が150キロであると考えると、球速だけでは既にメジャー級であるといえるだろう。

次に、そのストレートの「球質」を探るべくボール変化量をみてみる。これは回転によってボールがどれくらい変化したかを示す指標である。平均よりホップ成分が大きなボールは打者がいわゆる「ノビ」を感じやすく、昨年甲子園を沸かせた現日本ハムの吉田輝星投手は53cmのホップ成分を誇っていた。
参考:“回転数多い=ノビのある球”ではない? データから迫る「ノビ」の正体

図 ストレートのボール変化量比較。佐々木投手のホップ成分は平均的で、シュート成分が非常に大きい

佐々木投手のストレートはシュート成分が非常に大きい球質でプロ平均の速球よりも約15cmもシュートしていた。
ノビながら右打者に食い込んでくるような軌道で、「怖さ」のあるボールであるものの、空振りを量産する球質というよりは詰まらせてゴロで打たせるような球質である。

また、シュートが大きいストレートは組み合わせられる変化球も多くない。
現状では球速「だけ」でも空振りが奪えるが、ステージが上がるほど平均球速は高まり球速に慣れるため、ハイレベルな打者から空振りを奪いきるのは簡単でないだろう。将来的には球速だけでなく「球質」でも空振りが奪えるように改善したい

元巨人上原浩治投手やアストロズのバーランダー投手は、シュート成分だけでなくホップ成分も共に大きなタイプの球質である。両投手ともに、ストレートを武器に高い奪三振能力を誇る。シュート成分が多い佐々木投手が目指すべきは、彼らのようなストレートではないだろうか。

2大注目の星稜・奥川恭伸との比較は?

多くの方が気になるのが、本ドラフトもう一人の目玉である星稜高校・奥川恭伸投手との比較であろう。以前奥川投手のデータを紹介したが、ここでは2投手の速球を比較してみたい。
参考:星稜・奥川投手の球質を公開!プロ並みのストレートで高校生を翻弄!

表 ストレートの球質比較。球質は奥川、球速は佐々木に軍配
名前平均球速
(km/h)
ホップ成分
(cm)
シュート成分
(cm)
佐々木朗希1524640
奥川恭伸1474529
プロ平均1454426

※佐々木は18年11月、奥川は19年6月に測定

速球の球質だけみれば、奥川投手は既にプロ投手並みの球質である。球速も佐々木投手に劣るとはいえ既にプロ平均を超えており、変化球次第では早期にデビューできる可能性も高いだろう。制球含めた完成度は非常に高く、高校生離れした「勝てる投手」であるといえよう。

ただし、球速は佐々木投手に軍配が上がる。この日は平均152キロであったが、18年11月のデータであるため1年間でさらにスピードアップしている可能性も高い。たとえデビューが遅れても、焦らず長所を活かして成長してほしい。

大きな注目を集める両投手であるが、共に類を見ない素材である。完成度の奥川投手と底知れぬスケールの佐々木投手。次のステージでも切磋琢磨する姿が楽しみで仕方がない。

佐々木朗希の凄さと将来像

ここまで佐々木投手のデータを見てきたが、令和の怪物との前評判に違わない将来性抜群の投手といえるだろう。既に球速はメジャー級であり、将来的にはプロ・そしてメジャーでも速球で勝負できる投手を目指せる逸材であろう。

まだまだ未完成ともいえる佐々木投手は、これから大きく成長していくだろう。その際に一つだけ注意しなければならないのがストレートの球速である。球種の獲得や制球の向上、球質の改善とプロでは求められるものが増えるかもしれない。ただし、何を図るにしても持ち味である球速は落としてはいけない
佐々木投手には誰にも真似できない大きなスケールがある。球速に最後までこだわって成長していってほしい。

今回取り上げた佐々木投手・奥川投手含め、今年も多くの選手がプロへと挑戦する。
彼らが日本の宝へと成長するように、球団には大切に育ててほしいと願うばかりである。

引用
神事努(2013): プロ野球投手のボールスピンの特徴 . 日本野球科学研究会第一回大会報告集:24-26

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