前半戦最多勝のロッテボルシンガーを分析!ナックルカーブの特徴に迫る!

開幕から活躍が続くロッテの新外国人投手ボルシンガー。前半戦を終え、11勝1敗、防御率2.16の大活躍をみせている。先日パ・リーグの6月度月間MVPを受賞したのは記憶に新しい。
今回は、ロッテを支える助っ人右腕にスポットライトをあて、活躍の理由を探っていく。

日本では残念ながらトラックマンで測定したデータは一般公開されていない。今回は、昨シーズンのメジャーリーグでのデータを分析し、ボルシンガーの投球の秘密を探っていきたい。

メジャーでブーム?高速なナックルカーブでゴロ量産

まずは各球種の球速と投球割合をみていく。最大の特徴はナックルカーブの投球割合の高さだ。ナックルカーブは4シームに次ぐ投球割合で、ボルシンガーの投球の中心となっている(表1)。

表1 ボルシンガー2017年各球種の球速と投球割合
球種平均球速
(km)
平均球速
(%)
投球割合
(%)
4シーム143
(150)
99
(100)
35
2シーム145
(148)
100
(99)
14
スライダー130
(136)
90
(91)
15
チェンジアップ133
(135)
92
(90)
ナックルカーブ128
(126)
89
(84)
33

カッコ内はメジャーリーグ平均

※データ(baseballsavant)上の球種を変更。本稿ではデータ上のカットボールを4シーム、データ上の4シームを2シームとして分析

ボルシンガーのナックルカーブの特徴は球速だ。最も速い球種との球速比をみた球速(%)では、メジャーリーグ平均を大きく上回る89%と超高速なカーブなのだ。

昨今、メジャーリーグではナックルカーブのような高速なカーブがブームとなっている。元々カーブは打者に向かってくるボールの入射角が大きい打球の速度を最大限に高めるためには、落下して向かってくるボールに直衝突する角度でスイングする必要がある。つまりカーブに対してはよりスイングの角度を大きく(アッパー気味に)しなければ鋭い打球は打てない。

また、打撃するポイントは捕手側になるほどスイングの角度が小さく(ダウン気味に)なりやすい。高速なカーブに対しては打球の速度を高めることも角度をつける事も難しいのだ。

ナックルカーブの使い手自体、日本では少ない上に、カーブの平均球速は恐らくメジャーよりも日本の方が遅い。つまり、ボルシンガーのナックルカーブは打者にとって非常に珍しいボールに違いない。
積極的にフライ打球を打とうとするメジャーリーガーですら空振りやゴロを量産しているボールだ。メジャーリーガーと比べて、スイングの角度が小さいであろう日本の打者がゴロを量産するのもうなずけるだろう。
参考:【打撃特集1】上から叩くな!新しいスイング理論

伸びるカットボールのような速球

ボルシンガーの2つ目の武器は、4シームの球質だ。ボール変化量をみてみよう(図1)

図1 2017年各球種のボール変化量

※色付き丸は各球種のメジャーリーグ平均

4シームはメジャーリーグ平均と比べて非常にシュート成分が少ない球質であることがわかる。
4シームは「まっすぐ」のイメージが強いが、9割を超える投手の4シームがシュートしている。ボルシンガーの4シームはシュート成分が少なく、一部のボールはスライドまでしている非常に珍しいボールなのだ。
平均的な4シームに慣れたバッターから見るとまるで浮き上がるカットボールのように見えるボールで、打ち崩すのが非常に難しいボールだろう。

助っ人から名実ともにロッテのエースへ

ここまでボルシンガーの特徴をデータから探ってきた。
ナックルカーブ、4シームともに非常に特異な武器で、活躍もうなずけるデータといえるだろう。
混戦が続くパ・リーグにおいて、ロッテ浮上のカギを握るのはボルシンガーといっても過言ではない。井口新監督のもとロッテが台風の目となれるかは後半の注目の一つだ。

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