大谷翔平のアストロズ戦を分析!移籍後最速も最も伸びなかったストレートの特徴とは?

惜しくも3勝目こそ逃したが、世界一相手に爪痕を残した登板となった。
4月24日(日本時間25日)のアストロズ戦に登板した大谷翔平(以下、敬称略)は、5回1/3を4失点という結果を残した。失点こそ重ねたものの、移籍後最高球速をマークするなど堂々たる投球をみせた。
今回はそんな大谷の先発4戦目の試合をトラックマンデータで分析していく。

目次:大谷翔平 先発4戦目分析
4シームは移籍後最速を記録!!
4シーム移籍後最も伸びなかった…!?
被打球データでみる大谷注目の球種とは!!

移籍後「最も速かった」4シーム

まずは4戦目の球速をみてみる。4シームの平均球速、最高球速ともにメジャー移籍後最速であった。

表1 各球種の球速。4シームの平均球速は移籍後最速をマークした
球種平均球速
(km/h)
最高球速
(km/h)
4シーム158
(150)
163
スプリット142
(136)
149
スライダー134
(136)
138
カーブ121
(126)
124

カッコ内はメジャーリーグ平均

最高球速は163キロと驚異的なスピードで、先発としては、メジャーリーグ全体で今シーズン最速をマークした。では「球質」はどうだったのだろうか。

移籍後「最も伸びなかった」4シーム

球速は移籍後最速だった大谷の4シームだが、「球質」の観点では違った傾向をみせた。
各球種のボール変化量をみてみよう(図1)。

図 各球種のボール変化量。平均を上回るホップ成分の4シームはほぼなかった

薄色はメジャーリーグ平均

4シームのホップ成分は38センチと移籍後最も小さかった(前回登板44センチ)。メジャーリーグ平均と比べても5センチほど「伸びない」ボールで、空振りを奪いにくいボールだ。大谷の4シームが「球速ほど空振りが奪えない」理由はこのホップ成分にあるのだ。

また、登板毎に4シームやスプリットのシュート成分が小さくなっている。より中指に引っ掛けるようなリリースになってきているとすると、再びマメに悩まされることもでてくるかもしれない。

参考:大谷翔平、衝撃の2勝目を分析!快投の鍵はダルビッシュ似となったストレートの球質!?

被打球データからみる注目の球種とは!

では最後に今シーズンの大谷の被打球データから、球種毎の特徴を探っていこう。

表2 2018年大谷主要球種の被打球性質。4シームは最も被打球速度が高かった
球種ゴロ打球速度
(km/h)
外野フライ打球速度
(km/h)
4シーム160
(133)
148
(147)
スライダー115
(133)
148
(147)
スプリット134
(133)
打球なし

カッコ内はメジャーリーグ平均

表2をみると、大谷の4シームは最も危険な球種といえる。前述した通り、球速こそ速いものの空振りが奪いやすい球質ではない。実はメジャーリーグ全体でも4シームは被打球速度が高い球種であり、大谷の4シームも「リスクの高い」ボールといえるだろう。

参考:真っ向勝負は時代遅れ?球種別のイベントの特徴

また、注目したいのは変化球だ。スプリットはいまだに外野にフライを打ち上げられておらず、ここまで大谷の決め球として大きな威力を発揮している
スライダーはフライ打球速度が高く、ゴロ打球速度が低い。ゴロを打たせるために、打球角度の上がりにくい外角や低めに投球することが重要かもしれない。

参考:「低めに投げろ」ってホント?データで探る野球指導の常識

変化球の制球力アップで投球の幅が広がる?

大谷の4シームは先発としては屈指の球速を持つが、空振りを奪いやすい球質ではない。被打球速度も速くリスクの高いボールだ。第3戦では変化球の制球が乱れた末に4シームを狙い打たれたように、変化球の制球は今後も大きなポイントとなりそうだ。
4戦目では残念ながら5四球とまだ不安定な面を露呈したが、昨シーズンMVPのアルトゥーベから2三振を奪うなどポテンシャルはみせつけた。変化球が決まれば、世界一のアストロズ相手にリベンジする日も遠くないだろう。変化球の制球力は、今後も注目すべきポイントとしてみていきたいと思う。

(敬称略)

【動画】昨シーズンMVPのアルトゥーベから2三振を奪うなど、世界一のチーム相手に与えた驚異は小さくなかった

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