「ダルビッシュ、田中将大、上原浩治のストレートは変化球?」データで分析

今シーズンも日本人メジャーリーガーの挑戦がはじまる。
メジャーリーグでは、「トラックマン」で計測したデータを一部公開している。
今回は、それらのデータを使って、ダルビッシュ、田中ら日本人投手たちが投球するストレートの「球質」に迫る。今シーズンを占うボール変化量とは…?

ストレートの99%が実はシュート?日本人投手の球質とは

トラックマンでは、ボール変化量と呼ばれるデータを計測でき(詳しくは後述)、「○○cm曲がった」のように、球質を客観的に表現できる

ストレートのボール変化量をみると、意外かもしれないがメジャーリーグの99%以上の投手が、シュートしていたのだ。
では具体的に、日本人投手たちのストレートはどのような球質なのか紹介していこう。

図1 日本人投手のストレート。ホップ成分が大きいボールとは、実際には浮き上がらないが、打者からすると浮き上がるように錯覚するボールだ

ダルビッシュのストレートは、シュートが小さいのが特徴で、カットボールに近い変化のボールだ。
また、前田や田澤のストレートはいわゆる伸びが大きく、岩隈や田中のストレートは平均と比べ沈むような球質だ。

打者は平均的な変化のストレートを見慣れている。そのため、ホップ成分の大きなボールは伸びるように感じて空振りを奪いやすく、ホップ成分の小さなボールは沈むように感じてゴロを奪いやすくなるのだ。
巨人復帰を果たした上原のストレートは、ホップ成分やシュート成分が非常に大きい。球速は遅くとも長年メジャーで活躍をみせた理由の一つが、このストレートの球質にあるのだ。
参考:電撃復帰!上原浩治は巨人の救世主となるのか!「打たれない」140キロの秘密をトラックマンデータで徹底解析!

「伸び」なくなった田中のストレート…?

今シーズン、ストレートの球質に注目したい投手が、田中将大だ。大活躍を見せた2016年と、好不調を繰り返した2017年では、ストレートの球質が別人のようになっている。

図2 不調の続いた2017年は、ホップ成分が10cm以上小さくなってしまった

2016年と比べ、2017年は一転して「伸びない」ストレートとなった。空振りが奪いにくいボールとなり、思うような打ち取り方が出来なかったことが、不調の要因となったかもしれない。
実際に、昨年のポストシーズンでは2016年時の球質に迫るストレートを投げ、大活躍をみせた。
参考:【動画あり】田中将大2017年分析 ~0.2%の魔球~

このように、球質の変化は調子のパラメータにもなりうる。今シーズン田中がどんなストレートを投げるのか、注目したい。

回転数ではボールの質がわからない?変化量をみる理由とは

トラックマンのデータで、最も注目を浴びているのは回転数(スピンレート)だ。メディアでも回転数にフォーカスした記事が増えてきている。

では、なぜ本項は回転数でなくボール変化量をみているのか。
それは、変化の大きさには回転軸の向きが大きく影響しており、「回転数だけではボールの質をみることができない」からだ。

「ボール変化量」を簡単に説明する。ボール変化量とは、重力の影響のみ受けて到達した地点を原点とし、回転の影響を受けてボールがどれくらい曲がったかを示している。ボールがどう変化したかが明確にわかるため、打者の体感とも近いのだ。
参考:メジャーリーグで投球される球質の特徴

メジャーリーグでは、回転数だけではなく様々な観点から投手を評価するようになってきている。
本項を読んで興味を持った方は、ぜひ今シーズンは「ボール変化量」にも注目してみてはいかがだろうか。

(敬称略)

参考:大谷翔平デビュー戦の全球種をデータで分析!武器は球速160キロの速球だけにあらず!?

※変化量は球場毎の誤差を独自に補正

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