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プロ野球

オリックス新外国人アルバースを分析!回転数は少ないが「伸びる」速球…??



目次
アルバースはどんな球種を持っているのか
アルバースのボールはどれくらい曲がるのか
アルバースはどんな成績を残すのか

キーワード:新外国人、2018、オリックス、バッファローズ、球種、変化球、球速、回転数、変化量、データ、Andrew Albers、アンドリュー・アルバース

オリックスが獲得したアンドリュー・アルバース投手(以下、敬称略)は、昨シーズンメジャーで5勝をマークした左腕だ
写真はWikimedia Commonsより(https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Andrew_Albers_on_November_7,_2015.jpg)

オリックスは今オフ、昨シーズンメジャーリーグで5勝をマークしたアンドリュー・アルバースを獲得した。
1996年以来のリーグ優勝に向け、アルバースはキーマンとなれるのか。今回は、アルバースの昨シーズンの投球をトラックマンデータから紹介していく。

アルバースはどんな球種を持っているのか

球速が遅い「速球派」!

まずは、球速と投球割合を紹介する。アルバースの大きな特徴は4シームの球速で、メジャーリーグ平均を大きく下回る(表1)。

表1 球速と投球割合。すべての球種がメジャーリーグの平均球速を下回る
球種平均球速
(km/h)
投球割合
(%)
4シーム142
(150)
24
2シーム141
(148)
41
スライダー126
(136)
19
チェンジアップ127
(135)
8
カーブ111
(126)
8

カッコ内はメジャーリーグ平均

投球割合をみると、4シームや2シームの速球系球種が6割以上を占めている。アルバースは球速こそ低いものの、速球中心に投球を組み立てる投手なのだ。

では、アルバースの速球はどんな球質なのか。

アルバースのボールはどれくらい曲がるのか

回転数は少ないが「伸びる」ボール

ボールの回転数と変化量をみてみる。投球割合の高かった4シームと2シームは、ホップ成分が大きなボールで、新外国人の中で2番目にホップ成分が大きかった(表2)。
参考:2018年プロ野球新外国人投手をデータで紹介!!球速が最も速いのはあの投手…!!?

表2 回転数とボール変化量。アルバースの4シームは回転軸がバックスピンに近いため、回転数は少なくともホップ成分が大きい
球種回転数
(rpm)
縦変化
(cm)
横変化
(cm)
4シーム2088
(2255)
49
(43)
-20
(-22)
2シーム1982
(2150)
39
(28)
-36
(-37)
スライダー2252
(2362)
2
(9)
7
(12)
チェンジアップ1265
(1770)
19
(23)
-29
(-33)
カーブ2249
(2498)
-20
(-19)
26
(22)

カッコ内はメジャーリーグ平均

回転数にも注目したい。一般的に、アルバースのような回転数が少ない4シームは、いわゆる「伸び」が小さなボールだとイメージされやすい。
しかしながら、実は「回転数が多い=伸びるボール」ではない。変化の大きさには、「回転軸の向き」が影響しており、回転軸がきれいなバックスピンであれば、回転数が少なくても変化量は大きくなるのだ。

アルバースの4シームや2シームは、回転軸がバックスピンに近いため、回転数は少ないが「伸びる」ボールなのだ(図1)。
参考:メジャーリーグで投球される球質の特徴~ボール変化量とは~

図1 各球種のボール変化量。ホップ成分の高さで球速を補うことができるか

アルバースはどんな成績を残すのか

アルバースはホップ成分の大きな速球が投球の中心だ。
しかし、懸念材料もある。

4シーム、2シームの球速はメジャーリーグ平均を大きく下回り、日本でも決して速いとは言えない。ホップ成分の大きなボールは、空振りを奪いやすくなる一方で、フライ打球も増えやすく、長打が増えるリスクも含んでいる

そのため、アルバースが大きな活躍を見せるためには、他の球種と組み合わせて、より4シームを際立たせる必要があるだろう。
昨シーズンは4シーム、2シームの投球割合が非常に高かった。変化球の投球割合を増やすことで、より成績の向上が望めるかもしれない。

オリックスは、ここ10年間で8度Bクラスに沈み、リーグ優勝は1996年を最後に遠ざかっている。しかし、昨年のドラフト会議では大型新人を獲得し、若手の台頭も著しい。リーグ優勝に向けて着々と力はついてきた。
キーマンとなるアルバースの4シーム、そして投球割合にも注目だ!

アルバースのプロフィール

・1985年10月6日生まれ(32歳)
・左投右打 背番号27
・ミネソタ・ツインズ (2013)、ハンファ・イーグルス (2014)、トロント・ブルージェイズ (2015)、ミネソタ・ツインズ (2016)、シアトル・マリナーズ (2017)、オリックス・バファローズ (2018 - )
・2017年メジャー成績5勝1敗(メジャー通算成績7勝6敗)

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Baseball Geeks編集部