アストロズ バーランダーを分析!進化の秘密は150キロ超のストレートの緩急!?

メジャー14年目の35歳は留まることを知らない。ジャスティン・バーランダーは昨シーズン途中にアストロズに移籍すると、エースとも呼べる活躍をみせ世界一に大きく貢献した。
迎えた今シーズンもここまで両リーグ一位の防御率を記録(5/12現在)し、完全復活を印象付けている。

以前Baseball Geeksでは、昨シーズンのアストロズ移籍後のモデルチェンジを分析した。
今回は、昨シーズン移籍後と今シーズンのデータを比較し、今シーズンのさらなる進化の秘密を探っていきたい。
参考:アストロズ世界一の立役者!J.バーランダーはいかにしてモデルチェンジしたのか

追い込むほど球威が増す4シーム!

まずはバーランダーの各球種の球速と投球割合をみてみる。球速、投球割合ともに昨シーズン移籍後とほぼ同じだった(表1)。

表1 各球種の球速と投球割合。ほとんど3球種のみで勝負している
球種平均球速
(km/h)
投球割合
(%)
4シーム153→15359→61
カットボール148→1471→1
スライダー139→13923→24
チェンジアップ140→1413→2
カーブ129→12814→12

データは左から昨シーズン移籍後→今シーズン

35歳を迎えた今シーズンも4シームの球速は健在で、先発ながらメジャーリーグ平均(150キロ)を上回った
また、バーランダーの4シームの球速には大きな特徴がある(表2)。

表2 カウント別の4シームの球速。追い込んだ後に球速が高まっている
0ストライク1ストライク2ストライク
0ボール151.5152.5153.7
1ボール152.0152.8154.0
2ボール152.0153.0153.9
3ボール151.9153.2154.4

バーランダーの4シームは初球よりも2球目、追い込む前よりも追い込んだ後のボールの球速が高まっていることがわかる。相手打者や場面によって球速を変化させ、4シーム内でも緩急をつけているのだ。投球割合はほぼ3球種のみと球種こそ少ないバーランダーだが、同一球種内で緩急をつけるため打者は的を絞るのが難しいだろう。

今シーズン4シームがさらなる変化??

次に、バーランダーの投球割合が高かった3球種のボール変化量をみる。
昨シーズンと比較すると今シーズンの4シームはさらなる進化をみせている(図1、2 スマホ版はタップで切り替え)。

図1 昨シーズン移籍後のボール変化量※
図2 今シーズンのボール変化量

※球場毎の誤差を独自に補正

今シーズンの大きな特徴は、4シームのホップ成分だ。昨シーズンを大きく上回るホップ成分(52センチ)で、メジャーリーグ平均(43センチ)と比べるとボール1.5~2個分伸びるようなボールとなった。スライダーやカーブの変化量はメジャー平均に近いが、4シームが伸びるためより大きな変化を感じて空振りを量産しているのだ。
参考:MLB2017年投手ランキング~球速1位は?注目のカーショウは?

再びバーランダーの全盛期が訪れる?

バーランダーは昨シーズンアストロズに移籍後、スライダーの変化を改良し成績を大きく好転させた。また、今シーズンは4シームのホップ成分も大きくなりさらに伸びるような4シームに進化した。球速も速く、同一球種内でも場面に応じて緩急をつけるため、打ち崩すのは非常に困難な投手だろう。成績の落ち込みやトレードと多くの逆境を経験したバーランダーだが、再びサイヤング賞に輝く日はそう遠くないかもしれない。
バーランダーが再び全盛期を迎えた時、アストロズの世界一連覇は約束される。

(敬称略)

バーランダーはここまで防御率1点台と圧倒的な成績を残している

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