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プロ野球

阪神ガルシアのメジャー時代の球質を分析!速球派ながら変化球に特徴あり!?



目次
150キロの4シームが投球の中心
4シームは空振りが奪いにくい球質…!?
ガルシア活躍の鍵とは!
阪神のガルシアは150キロの速球がありながら、変化球も特徴的(写真:Wikimedia Commons)

本日のヤクルト戦で登板予定の阪神ガルシア。昨シーズンは中日で13勝を挙げた期待の先発左腕だ。今回はガルシアのメジャー時代の投球を、トラックマンデータから紹介したい。

150キロの4シームが投球の中心

まずはガルシアの球速をみる。4シームの平均球速は150キロで、左腕としては非常に速い。投球割合も50%と多く、投球の中心となっている(表1)。

表1 球速と投球割合。平均球速が150キロを超える速球派左腕だ
球種球速
(km/h)
投球割合
(%)
4シーム150
(150)
50
2シーム150
(148)
12
スライダー134
(136)
18
チェンジアップ136
(135)
20

カッコ内はメジャーリーグ平均

しかし、それぞれのボールの変化量をみると、意外にも違う武器がみえてくる。

4シームは空振りが奪いにくい球質…!?

ガルシアの4シームは、回転数が少なく、ホップ成分がメジャーリーグ平均を下回る。
打者があまり「伸び」を感じないボールで、空振りは奪いにくいかもしれない(表2)。
参考:メジャーリーグで投球される球質の特徴~ボール変化量とは~

表2 回転数とボール変化量。ホップ成分が小さな4シームは空振りがやや奪いにくい
球種回転数
(rpm)
縦変化
(cm)
横変化
(cm)
4シーム2102
(2255)
37
(43)
-19
(-22)
2シーム2064
(2150)
30
(28)
-30
(-37)
スライダー2226
(2362)
-3
(9)
10
(12)
チェンジアップ1761
(1770)
28
(23)
-35
(-33)

カッコ内はメジャーリーグ平均

一方で、2シームとチェンジアップの2球種が似たような変化をみせている。
変化量を球種毎にプロットすると、両球種の重なりがよりわかる(図1)。

図1 球種別ボール変化量。2シームとチェンジアップの変化が酷似していることがわかる

このように似た変化をみせるボールは、打者からすると球種の判別が難しい。さらにガルシアの2シームは平均球速150キロと非常に高速に変化する。チェンジアップと組み合わせて勝負することで、緩急の効いた勝負球となるかもしれない。

ガルシア活躍の鍵とは!

ガルシアは、4シームの投球割合が半数を占める速球派左腕だ。
しかしながら「球質」をみると、2シームやチェンジアップに武器を持つ。なまじ球速が速いぶん、4シームに頼ってしまうのかもしれないが、投球割合を変えて変化球の割合を増やすことで、大きく活躍できるかもしれない。

昨年最下位の阪神は矢野新監督の下で巻き返しを図る。先発左腕としてローテーションを守り、チームの勝利に貢献できるか期待がかかる。

ガルシアのプロフィール

・1989年8月2日(28歳)
・左投左打 背番号70
・ロサンゼルス・ドジャース (2013)、カンザスシティ・ロイヤルズ (2017)、中日ドラゴンズ(2018 - )
・2017年メジャー成績0勝1敗(メジャー通算成績0勝1敗)

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Baseball Geeks編集部